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子育ての変化に合わせた
働き方で安心。
会社のサポートで資格も
取得できました。
高橋電気工業株式会社
2級電気工事施工管理技士
𠮷田 智恵 さん
2012年に高橋電気工業株式会社へ入社。二級電気工事施工管理技士。過去に航空機関係の仕事に携わり、結婚・出産でブランクを経験。その後パートとして同社に入社し、現在は正社員として現場の第一線で活躍中。
※取材:・撮影:2025年10月
子育てをしながら見つけた、仕事との新しい関係
専門学校で航空関連の制御システム等を学び、卒業後は東京で就職しました。しかし、家族の都合で渡米を機に、一旦は仕事から離れることになりました。その後、帰国して再就職するにあたり、職業訓練所で事務系の勉強をしました。
当時、子どもはまだ小さく、再就職をするにあたり一番の条件は「自宅から職場が近いこと」でした。子育て中の女性向けハローワーク「マザーズハローワーク」を利用し、自宅から近く、職場の雰囲気が良さそうで、電気関係の知識も少し活かせそうだと思い、現在の会社に応募しました。最初はパートの事務職として入社しました。
事務職から現場職へ。キャリアを変えた「決断」
パートの事務職で働き始めてしばらく経った頃、会社から「正社員にならないか」と声をかけていただきました。子どもも大きくなり、自分の時間も増えるタイミングでしたし、何よりパートよりも待遇が良くなることが魅力的でした。
パートの期間中も、事務作業だけではなく見積書の作成など、様々な仕事を任されており、元々細かい数字や書類を扱うことは苦ではありませんでした。ただ、現場の仕事に興味を持つ一方で、男性中心の現場で上手くやっていけるのか、不安がなかった訳ではありません。
最初は職人さんたちに指示を出すことに戸惑いましたが、「言わなければいけない」と決意し、積極的にコミュニケーションをとるように努めました。現場の男性社員や職人さんたちは皆、優しく接してくれ、困ったときには助けてくれました。
資格取得で広がる「可能性」
現場での経験を積む中で、会社から「資格を取ってみないか」と2級電気工事施工管理技士の資格を勧められました。正直、自信はありませんでしたが、資格取得に挑戦することにしました。
勉強は社外の専門研修に申込み、筆記と実技で合わせて約2年かけて取り組みました。しかし、会社が就業時間内に講習を受けさせてくれたり、合格すれば報奨金が出る制度があったりと、手厚いサポートのおかげで無事合格することができました。
国家資格取得は自分自身のキャリアップにつながります。そして何より、現場で自分の責任で仕事を完遂できる。それが何よりのメリットだと思います。
現場での女性ならではの「強み」
現場の仕事は体力的に大変な部分もありますが、男性も同じで、女性だから特別大変ということはありません。一方で、女性が現場で活躍出来ていると感じる場面があります。例えば、官公庁が発注する公共工事などでは、工事に対する評定を点数で評価する制度があるのですが、その評価項目の「工夫した点」で高い評価を得ています。これは、きめ細やかなチェックや段取りの良さなど、女性ならではの視点が現場の仕事に活かされているからだと思います。
仕事のやりがいは、工事が終わったときの「達成感」と「安心感」です。また、大きなプレッシャーから解放され、無事に工事を終えられたときの気持ちは格別です。今後も女性ならではの視点を活かして、精一杯この仕事をしていきたいと思っています。
一歩踏み出した先が新しい道になる
建設業界では、若い女性が増えてきているのを実感しています。体力や人間関係など、不安な部分もあるかもしれませんが、「飛びこんでみないと分からない」というのが、私が伝えたい正直な気持ちです。
今は昔と比べて、仕事と子育てを両立しやすい環境が整っています。有給休暇も取得しやすく、家族行事や子どもの急な体調不良にも対応してもらえます。また、会社によっては「近隣手当」など、通勤時間を短縮できるようなユニークな制度もあります。
もしこの業界に興味があるなら、まずは一歩踏み出してみることをお勧めします。きっと新しい道が開けるはずです。

