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※取材・撮影:2025年2月

学歴:工業高校卒
勤務先:株式会社ヤマシタ工務店

資格を取得しようと思ったきっかけ

小さい頃からもの作りが好きで、将来は建築業界で働きたいと思って工業高校に進学しました。そこで3年生に進級した頃に、先生から「資格を取っていた方が仕事がしやすくなるよ」との話があって、確かに就職してから勉強するのは大変だと思ったので、在学中に2級建築施工管理技士の一次試験に挑戦することにしました。なんとか合格できましたが、二次試験の受験には3年間の実務経験が必要であったため、就職後に改めて取得しました。

勉強期間、時間

高校時代の一次試験の時は、4月から半年間ほど授業開始前の朝1時間、放課後の夕方1時間の毎日計2時間、受験を希望する10名ほどの特別クラスで先生に教えてもらいました。就職後の二次試験の時は3か月間くらい。仕事が終わって帰宅後の夜、寝る前の2時間ほどを勉強時間にあてました。

勉強方法
高校の時は、全員に配られたテキストに掲載されていた過去問などを中心にこなしました。「施工方法」などといった記憶系の分野は得意でしたが、力の加わり方を考える構造計算の分野が苦手だったので、特別クラスの時に先生に質問できた環境がありがたかったですね。二次試験の時は先生がいないのですが、一次試験で学んだ基礎を活かしつつ、本屋さんで買った参考書をコツコツこなしました。
心掛けたこと

計算問題は、簡単なものから徐々に応用に進むことで、少しずつ克服していきました。他の分野で分からないところは補足的にインターネットで画像などを見て、イメージできるようにしたり、仕事で実際の現場を見て「あの問題はこのことを言っているのか」と意識して見ることで実務を試験に応用できるようにしました。また毎日勉強するページ数を決めて継続的に過去問を解くことを重視し、5年分の問題を繰り返し解いていきました。

資格取得における仕事内容の変化
二次試験に合格して資格を取得してからは、施工計画や図面の作成、品質・安全管理といった業務に積極的に関わるとともに、少しずつ大きな建物の現場を任されることが増えてきました。資格は一定のスキルや知識を備えていることを客観的に証明するものだと思います。そのためお客様の様々なご要望を職人さんに伝える際にも、意見や提案ができるようになったと感じます。
今後資格を取得される方へのアドバイス

参考書が何種類も出ているので、まずは自分に合いそうなものを選んで、計画的に勉強していくことが大切だと思います。私自身、既に1級の勉強を始めていますが、最初は答えを見ながらでも徐々に解き方を覚えていくとできるようになると思います。
建築業界は男社会と思われがちですが、ヤマシタ工務店全体では女性社員が増えていて、郡上市の本社内の設計担当は、今はほとんど女性社員が担っており、女性でも働きやすい環境が整っています。
また、私は現場監督という仕事で、「やはり女性は大変でしょ」と言われることがありますが、実際にはオーケストラの指揮者のような仕事だと感じていて、自分では楽器を弾かないけど、大工さんや水道、キッチン、お風呂、電気など、多くの異なる業者さんをそれぞれ指揮して、一曲を仕上げるようなイメージで、男女関係なく活躍できる仕事だと思っています。
そうした仕事で、更地の状態から家が建ち、お引き渡しの時には一緒に写真を撮らせていただくのですが、その時の感動は言葉では言い表せません。
建築関係の資格取得に多くの女性もチャレンジし、これから一緒に頑張っていけたらと願っています。